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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

お曼荼羅はどういう意味ですか?

鈴木宏正

 お曼荼羅は、日蓮大聖人が文字で認められたご本尊です。お曼荼羅の中心にお題目が書かれ、その両脇には釈迦・多宝の二仏、本化・迹化の諸菩薩、以下、十界が勧請されています。お曼荼羅の実体は寿量品の久遠本仏であり、ひげ題目(光明点)は本仏の慈悲・救いが十方・三世(過去・現在・未来)に亘り、全てに注がれることを意味します。お曼荼羅の中で、お題目、お釈迦・多宝の二仏、本化四菩薩・日蓮大聖人、天照太神・八幡大菩薩が肝要で、以下の大衆は寿量品を聞法する姿(信行の姿)として記されています。従って、法華経を信じお題目を唱える時、本仏の慈悲によって私達の心(九界)は曼荼羅ご本尊=本仏の証(仏界)の境地へと導かれ、尊い心(本仏内証の一念三千)へと蘇生されてまいります。つまり、寿量本仏の信仰によって三千世界が本仏の証そのものとなるのです。これを、本仏と私達(衆生)との「感応道交」といいます。

 久遠本仏の教えが、山川草木に及ぶとはどういうことでしょうか。まず、命というものは人間のみならず草木にも認められます。草花・庭木・果実など、愛着を持って育成栽培し手をかければきれいな花を咲かせ、立派な枝振りとなり、また大きな実をならすことができます。これは、その人が草木に愛情を注ごうとする心持ちが、現実に形となって現れたということです。つまり、その人の仏界の心が草木に通じ、草木の心もその人を通して本仏に通じたというわけです。

 奉仕でお寺の掃除をされる方を見かけることがあります。掃除をしてきれいになった状態は、その人の心を表わしますから、実は掃除をした人の心も清掃になるわけです。掃除をしようとする心は、「感謝(信仰)」の心に根付いております。久遠本仏の「おかげ」という気持ちが無かったらできるものではありません。全て、曼荼羅ご本尊=本仏の慈悲ととらえ、「おかげ」を感じることが法華宗の信仰なのです。  

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