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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

仏さまは、お一人・お二人と数えるのでしょうか

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 神道で、神さまを数える単位は、「柱」といいますが、仏さまを数える単位には、まず「尊」という言葉があります。仏さまの尊称を世尊といいます。仏さまはあらゆる功徳をそなえ、すべての生きものを利益し、世間(世界のこと)で尊重されるからこうお呼びするのです。一般に世尊と単独で使われるときは、お釈迦さまのことを指しますが、尊という単位は、この世尊からきています。

 尊という言葉は、次のように使われます。法華宗では、ご本尊のお像の形式を表す言葉で、「一塔両尊」、「一尊四士」というものがあります。

 一塔両尊は、多宝塔を挟んで、拝む側から見て、左にお釈迦さま(釈迦如来)、右に多宝さま(多宝如来)が座っておられる形の本尊です。一つの塔に仏さまが二、ということから、「一」塔「両」尊なのです。

w  一尊四士は、本仏のお釈迦さまを中心に脇侍として本化の四菩薩さま(上行菩薩・無辺行菩薩・浄行菩薩・安立行菩薩)をお祀りする本尊ですが、ここでも仏さまが一、ということで「一」尊と言っています。

 一尊四士の「士」ですが、この「一尊四士」という場合に限っては、菩薩さまを数える単位として使われています。菩薩とは、菩薩道を修行し、将来如来になられるかたのことで、古代インドのお経の書かれた言葉、サンスクリット語の、ボーディサットゥヴァを中国で音訳したものです。意味をとった別の訳語では、大士・高士などと訳されます。士という単位はここから取られたものでしょう。

 では、菩薩は必ず士と数えるかというとそうでもなく、他宗などではお地蔵さん(地蔵菩薩)を数えるのに尊を使いますし、一般に如来も菩薩も天(仏教の神様)も尊と使われるようです。

 仏さまを数える言葉には、他にも「仏」があります。仏は、お釈迦さまの出世する以前にこの世に顕れた仏さまを表す、「過去七仏」などで使われます。

 仏さまのお像を博物館や古美術商などで、あくまで作品として扱う時は、「基」「体」「躯」などで数えます。また、座像の場合は、「座」という数え方もします。

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