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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

本堂の天井から傘のようなものが下がっていますが、あれは何という名前で何を意味するのですか? また、本堂の両脇に下がっている筒状のものは?

布教研究所所員・酒田 真量院裡 石丸司朗

 天蓋(てんがい)といいます。両脇のものは幡(ばん)です。

  インドは、たいへん暑い国でありますから、国王や貴人の後ろには侍者が立っていて、傘をかざすことになっているのだそうです。それが傘蓋(さんがい)の下にいるのは貴人である、ということになったのだそうです。

  インドにおける初期の仏教では、お釈迦さまを表現する時、悟りをひらかれた樹である菩提樹や、貴人の象徴である傘蓋をもって表したのです。それが後に仏像にも天蓋を飾るようになりました。

  こようなことからお寺の本堂でも仏さまの上には「仏天蓋」・住職の上には「人天蓋」が飾られ、荘厳具となりました。

  天蓋は、金属製または木製で、美しく彫刻で飾られ、宝珠・宝網・纓珞・幡などがついて、形も方形・六角形・八角形・円形など種々あります。

  お寺の本堂中央に天蓋、その両脇には幢幡(どうばん)や和幡・唐幡と呼ばれる木製または布製の荘厳具があります。これは、もと王や将軍の儀衛や軍旗から、魔の軍勢に対する法の王の象徴として仏さまの飾りとなったもので、「降魔(ごうま)」を表します。

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  大聖人は御書に、「釈迦・多宝・十方分身の諸仏は、霊山でのお約束もあることであるから、すぐにお迎えに飛んで来て、行者の手を取り、肩にかけて霊山浄土へ連れて行って下さるに違いない。すると二聖・二天・十羅刹女は行者を護(まも)り、諸天善神は天蓋をさしかけ、旗をさし上げて行者を守護し、寂光の都へ送って下さることは疑いない、うれしい極みではないか。楽しい限りではないか(意訳)」『如説修行鈔』   と、記述されています。『法華経』の中にも天蓋や幢幡を仏さまに対して供養する者の功徳が説かれています。

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