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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

「彼岸」とは

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○ 「彼岸」とはどういう意味でしょうか。

  梵語のパ-ラミタ-の音写、波羅蜜多で、「到彼岸」と訳します。すなわち貧・瞋・痴などが渦巻いている此の岸から、煩悩・生死の中流を渡って、涅槃(悟り)の彼の岸に着くという人間の理想境で、迷いの人生(此の岸)に対する悟りの世界、それが「彼岸」であります。

○ 「彼岸会」の行事はいつごろから始まったのでしょう。

  遠く聖徳太子の頃からという説もあり、又、延暦二十五年、諸国の国分寺に命じてこれを行わせたのが、はじまりであるという説もあります。インドにも中国にもない、日本独特の行事で、彼岸には在俗の信者は寺院に参詣し、また先祖の墓参りをします。僧侶は読経、法話などの仏事を行ずるのであります。

○ 彼岸をめざして、われわれは何をなすべきでしょうか。

  そのため、お釈迦様は、六度(五波羅蜜とも云う)という、六つの徳目を実行することを教えられました。
一.布施(ふせ)=財施(物を施す)、法施(真理を教える)、無畏施(恐怖を除き、安心を与える)この三種の布施が一番大事な菩薩行である。
二.持戒(じかい)=よくおきてを守り、常に反省を怠らず、自己改善に努める。
三.忍辱(にんにく)=困難や迫害を堪えしのび、どんな災厄にもへこたれぬこと。
四.精進(しょうじん)=自分の仕事や、使命に対して、たゆまぬ努力を続ける。
五.禅定(ぜんじょう)=心を安定させ、飽きず、あせらず進むこと。
六.智慧(ちえ)=真実の智慧(仏智)をひらき、あらわすこと。  

○ 春分秋分の日に彼岸を定めたのはどういう理由からでしょうか。

  春分と秋分の当日を彼岸の中日といい、その前三日目から前後七日間を彼岸といっております。春分と秋分の日は昼夜等分で長短がなく、中道の時である。仏教は中道を尊ぶ教えだから、仏事修行に最も適当な季節としてこれに彼岸の名を与えた、といわれます。ともかく、一年二回、昼夜の時間が同じである時正と称する時期に、先祖の仏事供養を営むと共に、お互いに反省して、自己の懈怠(けたい)をいましめ、仏道に精進を誓うのはまことに意義深いことであります。

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