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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

よくお寺に揚げてある「五色の旗」についておしえて下さい。

鈴木顯正


 私達はお盆やお施餓鬼の法要でお寺へお参りにまいりますと、青・黄・赤・白・黒の五色紙にお経文が書かれた施餓鬼幡(旗)をよく見かけます。また皆さまのなかには、お寺の幕や吹流しなどに五色の旗が使われているのをご覧になった方もあるでしょう。

 この五色の旗は「仏旗」ともいい、五色は仏さま(お釈迦さま)のさとりの世界を色で表わしたものであります。一説に、そのさとりの世界の一日の様子を五色に配当し、青は未明・黄は日の出・赤は正午・白は白昼・黒は夜ともいわれますが、その他、五色をお塔婆の地水火風空の五大・五輪に配するなど諸説があり、また宗派によってもさまざまです。しかし基本は、仏さまのおさとりを崇敬し象徴化したものとご理解下さい。

 さて本仏お釈迦さまのご本懐である法華経を、インド語の梵語から中国の漢字(現在、私達が読誦します「.妙法蓮華経」)に正しく漢訳した人物が鳩摩羅什であることは、皆さまご存知と思います。

 日蓮大聖人は、この法華経という、仏の真実の教えを正しく伝えた鳩摩羅什の舌根不燗(羅什三蔵の臨滅後、火葬にふした時、舌だけは灰とならなかった)の功徳を述べられ、 「御舌ばかり火中に青蓮華生いてその上にあり。五色の光明を放ちて夜は昼のごとく、昼は日輪(太陽)の光をうばい給ひき」 と教えられました。

 今日、法華経のお題目を唱えさせていただく私達は、「南無妙法蓮華経」の五色の光明にありがたく守られ、そして本仏お釈迦さまに導かれているのであります。

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