日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの
万民一同に南無妙法蓮華経と唱え奉らば
吹く風枝をならさず雨壌を砕かず
出展:如説修行抄(昭定七三三)
インドから中国へ仏教が伝来した当初は、次々に将来される玉石混交の経典の中で、どのお経がお釈迦さまの究極の教えであるかを探求することに心血が注がれました。
中国の天台大師智はこのような状況下で仏法を研鑚し、釈尊一代五十年のお説法で法華経こそがお釈迦さまの本懐が示された真実のお経であると判断されたのです。
大聖人は、おん身を歴史的にはインド・釈尊-中国・天台大師-日本・伝教大師に連なる法華経弘通の継承者であると宣言なさるも、久遠実成の釈迦牟尼仏(本仏)から直接的に相承される法華経本門を中心とした新たな宗教的信仰の世界を切り開かれたのです。
末法の現代には本仏の永遠不滅の生命・み教えが宿る如来寿量品を根本に据えなければなりません。
それが、唯一本仏と大聖人のみ心に叶うことになるのです。
この一節は非常に有名なので、ご存知の方も多いと思います。
大聖人は法華経に従い、お題目を受持して、あらゆる困難や障害に立ち向かわなければならないと仰せになりました。
そして「世の中のすべての人々が南無妙法蓮華経と唱えるならば、風が吹いても枝を鳴らす程の暴風にはならず、雨は土壌を砕く程の大雨になることもない」とあらゆる災難を取除く現世安穏の証を信仰の到達点として示されたのです。
正しい仏法が弘まる時、そこには必ず理想の世界(仏国土)が出現します。「汝早く信仰の寸心を改めて速に実乗の一善に帰せよ。然れば即ち三界は皆仏国也」