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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの

但法門をもて邪正をただすべし利根と通力とにはよるべからず

出展:聖
解説:田中豊隆

但法門をもて邪正をただすべし利根と通力とにはよるべからず

 このお言葉は、文応元年(一二六〇)五月二十八日、鎌倉名越においてお書きになられた唱法華題目鈔一巻の末尾の一節であります。

 この年は、大聖人様は立正安国論を著わされ、鎌倉幕府に上奏し念仏無間、禅天魔、真言亡国、律国賊の四箇の格言を叫ばれました。殊に法然の捨閉閣抛の浄土念仏の謗法に対しては正法の受持に依る国家安穏と衆生の成仏を訴えて激しい折伏逆化の死身弘法を行なわれたのです。

 このような時期でのこの鈔は、末法の衆生に法華経を持ちお題目を唱えるものの功徳を説き示すために著わされたものであります。

 仏の滅後、弘教の人師の邪正を究める時は弘める経の邪正に依るべきで、人師の神通力の有無や智慧の多少に依るべきではないと言うことであります。

 末法の下機下根の名字即(法華経を聞信して悟る人の位)の凡夫に対しては、「法に依って人に依らざれ。了義経に依って不了義経に依らざれ。」(涅槃経)の仏の遺言に従い、たとえ三類の怨敵(俗衆・道門・僭聖の増上慢)が現れて弘経の妨害を加えようとも、これに恐れず爾前権経を捨てて、仏の本壊ご一乗真実の法華経を弘める人師が末法の正師なのであります。

 現在の世相は、自由の意をわがままに解し、あらゆる面で依りどころを軽視する行為がみられます。これは謹むべきことではないのでしょうか。

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