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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの

只仰て佛の金言を まもるべきなり

解説:学林教授・大久保  本修寺住職 田中 靖隆

只仰て佛の金言を まもるべきなり

 四月のお言葉は文永十年 (一二七三)作『如説修行鈔(にょせつしゅぎょうしょう)』から の一文です。

 文永八年(一二七一)大聖人は鎌倉幕府から咎(とが)を受け、極寒の地佐渡 へ流刑になります。

 厳しい自然のみならず、土地の領 主をはじめとする他宗派信者からも 命を狙われ、命の無事すら危ぶまれる状況でした。

 大聖人の流罪という、信仰の絶対 的支柱を失った弟子・檀信徒に対し、 幕府はさらに法華宗からの退転を迫る激しい迫害を加えたため、宗門は壊滅的な危機に陥(おちい)ります。

 この危機的状況の檀信徒を憂(うれ)い、 励ますために書かれたのが『如説修行鈔』です。

 「佛の金言」とは「南無妙法蓮華経」 のお題目のことです。

 「只仰て守るべき」とは苦しい時こそ、お題目を唱えることの大切さを意味します。

 私たちが生きる世界(娑婆(しゃば) )は不 条理に満ちています。日頃どんなに 真面目に励(はげ)んでいても、自分の思うようにならないことだらけです。そ して自分の力のなさを感じて苦しみます。

 そんな時こそ迷う心を静めて、仏さまにおまかせする覚悟をし「南無妙法蓮華経」と唱え、団扇(う ちわ)太鼓を叩 き、日々の生活の支えとして励んで みてはいかがでしょうか。 
「法華経を信ずる人は冬のごとし。 冬は必ず春となる」(大聖人)

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