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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの

先ず生前を安んじ更に没後を扶けん

出展:立正安国論(昭定二二六)
解説:学林助教授・岡崎 長福寺住職 牧野真海

先ず生前を安んじ更に没後を扶けん

 「旅客来(りょかくきた)りて嘆(なげ)いて曰(いわ)く・・・」
から始まる『立正安国論(りつしょうあんこくろん)』は、今月の聖訓をもって締(し)めくくられます。
 構成は庵(いおり)を訪れた旅人と庵主の答えに領解(りょうげ)する、というものです。旅客は仏教各宗派の知識を広く有し、庵主もまた類(たぐい)まれな仏教研鑽者なのですが、一貫しているのは、旅客は浄土教信者で、庵主は諸宗(しょしゅう)に通じた上で『法華経(ほけきょう)』こそが釈尊(しゃくそん)の本懐(ほんがい)であることを喝破(かっぱ)している法華経行者である点です。
 八万四千(はちまんしせん)の法門(ほうもん)といわれる仏典(ぶってん)の中で、法華経こそ最高・最勝の教えと気づいたのは、中国の天台大師智顗(てんだいだいしちぎ)、日本では伝教大師最澄(でんぎょうだいしさいちょう)、そして宗祖日蓮大聖人だけである、という思いが安国論の随所からヒシヒシと伝わってきます。
 また、大聖人の教えの特徴として「徹底した現世主義(げんぜしゅぎ)」が挙(あ)げられます。
 人は必ず死にます。これは誰も避けて通れません。でも、今、この娑婆(しゃば)世界に「生(い)かされて」いるのだとしたら、過去にとらわれず、未来を悲観せず、まさしく今この瞬間を「生かされて」いるのが私たちなのではないでしょうか。
 今月の聖訓では生前を安(やす)らかに、死後も穏(おだ)やかに、とありますが、大聖人の本当のおこころは、
「今を大切に活(い)きなさい」
という点に集約されるのです。

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