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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの

今本時ノ娑婆世界ハ三災ヲ難レ四劫ヲ出タル常住ノ浄土ナリ

解説:松吉範員

今本時ノ娑婆世界ハ三災ヲ難レ四劫ヲ出タル常住ノ浄土ナリ

 このお言葉は、大聖人様が佐渡の一ノ谷で述作された観心本尊鈔の一節です。

 佐渡のご配流中のおん身で、ご自身こそ真の法華経の行者であることを明された開目鈔に続いて著された崇拝すべき唯一の本尊を示現された御書です。

 法華経寿量品に、然るに我は実に成仏してから久遠の年月が経っていると述べられてあります。この久遠の本仏のおられる世界を示されたのが、この一節です。本仏様の世界は本国土ともいわれ、時間を超越した娑婆世界であり、過去・現在・未来にわたって変化することのない常住の永久不変の浄土なのです。ここは、世界の起こり(なりたち)・定まり・破壊・空となることの変化がなく、常住の本仏の世界です。

 さて、我々の見る娑婆世界は、憂いや怖れという苦しみが満ちているのです。日々の新聞・テレビの報道によれば、この世には火災・水難(洪水)風害等の三災だけでなく、噴火による被害等が起こっています。また、数々の欲望による犯罪の増加、青少年の非行が続出しています。このほか公害や産業廃棄物処理問題、放射性廃棄物投棄の問題等々、我々の見るこの世界は衆生劫つきて大火に焼かれるの如き有様といわなければなりません。

 本仏様の世界と我々の見る世界は、同じものであり乍、かくも違っているのです。今こそ、我々は真剣に本仏様を信じお題目を受持して「あらゆる功徳を修し柔和質直なるもの」となるよう修行しなくてはならないのです。本仏様の世界こそ実在の浄土であって、遠く離れた弥陀の浄土や薬師の浄土等は存在しない架空の浄土なのです。

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