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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの

一切の功徳を合わせて妙の文字とならせ給う

解説:学林教授・大久保  本修寺住職 田中 靖隆

一切の功徳を合わせて妙の文字とならせ給う

 この世界のすべてのどくが合わさって「妙」の文字となっているのです

 駿するの国に住む檀徒の妙心尼は、夫の重病へいを願い、髪を落とし尼僧となりました。しかし、ご主人は妻子を残し亡くなります。このお言葉は、その妙心尼にてられたお手紙の一節です。

 お釈迦さまの説法を弟子たちが皆で集まって、まとめて文字にしたものが「お経」で、その数は八万といわれています。だいしょうにんは、全てのお経を深く読みとき、その頂点が「法華経」であることを、お悟りになりました。

 法華経は、正式には「妙法蓮華経」といいます。「妙」とは、不思議なまでにすぐれ、美しいという意味で、「法」は教えという意味ですので、泥の中でも美しい花を咲かせる蓮華のような、不思議なまでに優れた教えのお経、という意味になります。

 法華経はじゅうはっぽん(品ほん=章節)からなり、「にょーらいじゅーりょうほん だい じゅうろくー」で始まる、十六番目の「寿じゅりょうほん」が一番大事であり、行事でも法事でもお葬式でも、どんな時でもお読みします。

 お題目は、この「妙法蓮華経」の頭に「」とついていますが、この「南無」とは、=ただおまかせすることです。最高のお経、妙法蓮華経におまかせします、という意味になります。

 私のおります本修寺に隠居されていた、総本山七十七世・荒井日幹げいくちぐせは、「な~に仏さまがよくしてくださるよ」だったとお聴きしております。なんと心にる、安心するお言葉ではないでしょうか。

 お手紙の妙心尼のように世の中は、祈っても自分の力ではどうにもならないことだらけです。

 そのような時に私たちにできることは、朝起きて、仕事のある方は今日一日行く所があることに感謝して出掛け、そうでない方は今日も朝を迎えられたことに感謝して体の動く範囲で掃除をしたり、家族の食べる物を用意したり、ニコニコと楽しい話をしたり、あるいはゆっくり休める時間や場所があることに感謝して、体をいたわることではないでしょうか。

 いまある物や、できることに感謝し、それ以外は仏さまに南無、おまかせしていると、きっと仏さまがよくしてくださる気がします。

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