• ホーム
  • 法華宗(陣門流)とは
  • 法華宗の行事
  • 法華宗寺院

日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの

南無妙法蓮華経と心に信じぬれば 心を宿として釈迦佛懐まれ給う

出展:学林助教授・岡崎 長福寺住職 牧野真海
解説:松野殿女房御返事(昭定一七九二頁)

南無妙法蓮華経と心に信じぬれば 心を宿として釈迦佛懐まれ給う

 大聖人は、じつに筆マメな方(かた)です。ご自身に届けられた供養(くよう)の品には、必ず返礼の受取状を認(したた)められますし、門下(もんか)の信者や檀越(だんのつ)の中で悩んでいたり苦しんでいたりする者があると聞けば、すぐさま励(はげ)ましや解決へ向けたアドバイスを送っていらつしゃいます。
 今月の聖訓はそうした礼状のひとつ、「松野殿女房御返事」の一節で、米・芋・梨子(なし)・枝豆(えだまめ)などの供養に対する返礼です。松野殿とは駿河国松野荘(するがのくにまつのしょう)の領主・松野六郎左衛門尉(まつのろくろうざえもんのじょう)といい、大聖人の有力檀越の一人です。その妻は当時、懐妊(かいにん)していました。
 医療が発達した現在でも女性の妊娠・出産は危険をともないます。まして大聖人在世の頃の出産は、まさしく命懸(が)けの一大難事業であったことでしょう。
 懐妊中の女性は少なからず不安な精神状態になります。大聖人はそのことを察知して、法華経を受持(じゅじ)する松野殿女房にこう綴(つづ)ります。
 「釈迦仏(しゃかぶつ)の護(まも)り給(たま)う。たのもしし」と励(はげ)まして安心をみちびき、懐妊になぞらえて、法華経信仰は、なんと心にお釈迦さまがみこもるとお説きになりました。
 供養の返礼、懐妊の祝辞。それにちなんで言(こと)の葉(は)を知り尽(つ)くしたさらなる唱題修行(しょうだいしゅぎょう)の勧(すす)め。すばらしい大聖人のお心遣いです。

一覧に戻る

上へ戻る